「―夏音さん。コレ、レジ下の棚に片付けお願いします。」 そう言って渡されたのは一冊の分厚いファッション雑誌。 いつもは軽々と持てるのに今の私にはやたら重く感じてしまい、吐き気のせいもありそのままヘナヘナと座り込んでしまった。 申し訳なく冴木君を見上げると然り気無く頭をポンポンと撫でられ、彼の優しさに胸が小さく音を立てた。 「―はい、丁度お預かり致します。ありがとうございましたー。」 手際よく会計をして、笑顔でお客さんを見送ると静かに隣に腰を下ろして至近距離で顔を覗かれる。