両親が居ないって…まさか…?
『…亡くなっ―』
「―はい、月宮旅館着きましたよー。」
最後まで言い切る前にタクシーの運転手さんによって遮られてしまったけど…ある意味それはそれでタイミングが良かったかもしれない。
「あっ、はい!ありがとうございます。お代、お代っと―」
普段と変わらない声のトーンと、口調だけど…その横顔は寂しそうだった―。
「ふぅ~。お腹空いたね♪早くチェックインしてご飯食べちゃおう♪」
『……うんっ…。』
この日、私は冴木君の過去を知る事になるなんて思いもしなかった―。
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