うん、うんと嬉しそうに何度も頷いて私と冴木君に微笑む姿が何故かこの時妙に印象に残って不思議な気持ちになった。 それからしばらく和気藹々とお菓子を食べながら世間話を楽しんで、気が付けば日が傾いて空はオレンジ色に染まっていた。 「…あっ、そろそろホテルに向かわないと夕飯の時間に間に合わなくなっちゃうかも。」 『もう…そんな時間なんだね。…早いなぁ…。』 「おや、そうなのかい?…残念だねぇ…。」 緊張もほぐれて話も弾んできて楽しかったのに…。