そして迎えたお出掛け当日―。 お泊まりセットを詰め込んで、パンパンに膨れた荷物を担いで目的地の冴木君のお祖母ちゃんの家に訪れた。 見るからに昔ながらな風貌で懐かしさを感じさせる木目が美しい柱や、綺麗に敷き詰められている畳。 それにお線香の匂いだろうか?気持ちが落ち着く独特な香りが漂ってくる。 「ばあちゃーんっ!ただいま~!」 『こんにちは~~。』 玄関先でお祖母ちゃんを呼ぶと、奥の方からお祖母ちゃんはお花見の時に見た可愛らしい笑顔で出迎えてくれた。