「……夏音ちゃんがその部類の子じゃなくて良かった。…幾斗が惚れる理由が分かる気がするよ。」 ―ぴくっ 何だろう…冴木君の名前を聞いただけなのに頬っぺたの力が抜けそうになる。 「あれ?幾斗って口に出しただけなのに、なんか照れ顔になってない?♪」 『そっそんな事っ…!あり、ますけど……!』 「あはは、初々しくて可愛いね♪…何かあったら言ってよ、抱き締めてあげるから♪」 『遠慮します…!』 さっき見せた寂しそうな表情はどこへやら、今はいつもの楓さんだ。