笑顔でさよなら、涙にありがとう。




「姉貴、やめろ。真咲が戸惑ってるから」



あ、お姉さんだったんだ。


そういえば、お姉さんいるって言ってた。


確かに、少し秋と……似てるかも。



「ごめん、安心しちゃって、つい…」



「だからって、抱きつくのはやめろ」



「あ、ヤキモチ焼いてるんだ?」



「ちげぇよ」



さ、さっきから何の話してるんだろう…?


特にお姉さんの話がイマイチよく分からない。


『よかった』とか『安心』とか。


初対面なのに…


それに、『ヤキモチ』って…?



「あ、私、秋の姉の長谷川楓(かえで)。真咲ちゃんのことは秋から聞いてるの」



あ、そうなんだ…



「とりあえず、リビングで話そう。真咲、こっち」



「う、うん」



秋に促されて、リビングに向かった。