どれくらい時間が経ったんだろう。



「真咲、どこも怪我してない?」



そう秋に声をかけられた。



「うん、特には…。秋は?怪我してない?」



「俺は大丈夫だよ。そんなにひ弱じゃねぇから」



そっか、秋は不良だから喧嘩とかしょっちゅうしてたって言ってたもんね。



「立てるか?」



秋は立ち上がり、私に手を差し伸べる。



「うん」



私は秋の手を取り、ぎゅっと握る。


この前はこの手を振り払ってしまったんだね…。


秋の手は、私をどこかへ連れて行ってくれる。


そして、私を助けてくれる。