「ああ……私なんか消えてなくなっちゃえばいいのに……」 自分でそんなことを言ってハッとした。 …そうだよ。 私、いなくなればいいんだよ。 そしたら、この苦しみから解放される。 生きる意味なんて考えなくなる。 そのうえ、天国にはお父さんとお母さんがいるんだから。 お父さんとお母さんと一緒にいられるんだ。 そう考えていると、無意識にマンションの屋上に向かって足が動いていた。