「もう、私に構わないで」



ただ最後まで強がるはずが、私にはできなかった。


……声が震えてしまった。


でも私は何事もなかったかのように、入学式の時みたいに本を読み始めた。


でも、本の内容なんて全く入ってこなくて。


…これで、秋は私のことを嫌いになったはず。


紺堂さんとヨリを戻せるはず。


これで、いいんだ。


私は本を読んでいるふりをしながら、ずっとそう自分に言い聞かせていた。