教室に入ると、秋が視界に入る。



「真咲、おはよう…」



いつも通り、秋が挨拶するのを私は無視した。



「真咲?」



秋は突然のことでびっくりしているだろう。



「真咲!」



未だ無視し続ける私にしつこく話しかけてくる。


ああ、ついにはっきり言う時が来てしまった。



「おい真咲、どうしたんだよ…」



「触んないで!」



精一杯声を出して、肩に置かれた秋の手を振り払った。


しんと教室が静まり返る。


手っ取り早い方法。


それは、秋に嫌われるということ。