この日も特に何もなく終わると思っていた。 この人に話しかけられるまでは。 「あなたが柚原真咲ちゃん?」 正面から向かってきた人に話しかけられた。 全く見覚えがなかった。 「はい、そうですけど…」 「そう、あなたが……」 その人は私の全身をなめ回すかのように見てきた。 美人という言葉がぴったり当てはまるような人だった。 そんな人が私に何の用なんだろう?