「どうした…?」



ぐるぐる考え込んでいると、秋が心配そうに顔を覗き込んできた。



「えっ?う、ううん。何でもない」



「そうか?ならいいけど」



いけない。


こんなこと、秋に知られたらいけない。


心の中にしまっておく。


絶対に、誰にも言わない。


これが私の…プライドだから。


よかった、気づかれなくて。


これは私だけの問題。



「教室に戻るぞ」



「うん」



私たちは屋上をあとにした。