笑顔でさよなら、涙にありがとう。




「えっ…?」



上を向くと、そこにはさっきまで騒がれていた人が立っていた。



「俺の話聞いてる?」



…あ、私に話しかけてたのか。


気付かなかった。



「へぇ…何か難しそうな本読んでるんだな」



そう言って私の読んでいた本をジロジロ見る。


…あの、早く返してください。


って言いたいけど、言えない。


周りの視線が…痛い。


今思えばすごく注目されていた。


…とりあえず、この場から離れたい。


そう思ってすぐ席を立ち、逃げるようにトイレに向かった。