少し上を見上げれば、青空が広がっていた。 『今からそっちに行くね。お父さん、お母さん。 ……バイバイ、秋(しゅう)』 私は心の中でそう呟いた。 ただ、秋のことを思うと涙が溢れてきた。 ……ダメだ。 ちゃんと吹っ切れないと。 私は目を瞑った。 その時頭によぎったのは今までの私、柚原真咲(ゆずはらまさき)の記憶。