夏祭りが終わった、夏休みのこと。
「親父、ちょっといい?」
俺は久しぶりに1日休みだという親父に話しかけた。
「どうした?珍しいな、秋が俺に話なんて」
確かに、親父に話をするなんて初めてに等しい。
それほど、これから話すことは俺にとって重要なことだった。
「それで、話って何だ。真咲ちゃんのことか?」
「…えっ?」
「聞いたぞ。2人で夏祭り行ったって」
姉貴と母さんだな、犯人は。
「ちゃんと俺にも紹介しろよ、真咲ちゃん。俺だけまだ会ってないんだぞ。俺だって会ってみたいんだよ、秋を変えた女の子に」
「また連れてくるって」
親父まで真咲のことを気にかけているなんて初耳だ。
真咲にも話しておかないと。