笑顔でさよなら、涙にありがとう。



そしてサイレンの音が聞こえてきた。



「警察や!逃げろ!」



男たちは足早に立ち去っていく。


ただ俺は呆然とするばかりだった。



「姉貴、目開けろよ!なぁ、姉貴!!」



姉貴の体を揺すりながら呼びかけてみても、反応がない。


俺が出かけていなければ。


喧嘩なんて買っていなければ。


後悔ばかりが募っていく。


人を失うかもしれない、そんな恐怖を初めて味わった瞬間だった。