それからというものの、真咲はどこか上の空だった。
様子がおかしい。
でも聞いても、ごまかされた。
こんな時に限ってたびたび美月に呼ばれるから、一緒にいてやれないし。
そんな時だった。
「真咲、おはよう…」
ある日の朝、いつも通り真咲に挨拶した。
けど、なぜか無視された。
「真咲?」
いくら呼びかけても返事をしない。
「真咲!」
何でだ?
「おい真咲、どうしたんだよ…」
肩にポンと手を置くと、
「触んないで!」
その大きな声とともに、手に痛みが走った。
真咲に手を振り払われたのだ。
しんと教室が静まり返った。