すると真咲はベンチから立ち上がり、噴水に近づいた。
お、興味もったか。
そう思ったのもつかの間、真咲は俺に向かって水をかけてきた。
「うわっ、やったな~」
それからは水のかけ合い。
カップルが海でよくやるようなシチュエーションと同じような感じで。
ふと真咲を見ると、
「___っ」
目を見開いて、声にならない声で驚いた。
だって、
「真咲が……笑った…?」
今までほとんど表情を変えることなかった。
したとしても不愉快そうな顔。
そんな顔で今まで俺と接してきた真咲が、笑った。
しかし俺が指摘したせいか、真咲の顔は元に戻ってしまった。


