「似合ってんじゃん」
ぽろっと出た言葉だった。
けど、これは本心だ。
「じゃあ、これください」
「ありがとうございます~」
そう言うと、真咲は慌てたように話しかけてきた。
「待って、私、お金持ってない…」
何で真咲が払おうとすんだよ。
「俺からのプレゼント」
そう言っても、
「こんなのもらえない!」
と言い返される。
すると、俺は真咲が4月生まれだったことを思い出した。
「誕生日祝いってことでいいだろ?」
そう言ってもまだ渋る真咲。
さらには自分を嘘の塊だとか言う始末。
「くだらねぇ。似合ってるから買ってやるんだよ。いいから早く着替えろ。会計できねぇから」
そう押し切り、試着室のカーテンを閉めた。


