すると急に、 「墓参りしに行ってもいい?」 と言い出した。 「えっ、今から?」 「うん。場所どこ?」 「ここから5駅のところだけど…」 「じゃあ、行こう。案内して」 そう言って、秋はコーヒーをくびっと飲み干した。 「えっ、ほんとに行くの?」 「うん。まだ真咲のご両親に挨拶してなかった」 「いいよそんなの…!」 「俺がよくない。行こう」 というわけで、秋が部屋に来て数分で家を出る羽目になってしまった。