「仕方ないな」
起きそうにないし、部屋に運ぶか。
起こさないようにゆっくりお姫様だっこをする。
部屋まで運んで、ベッドに寝かす。
「……疲れたのかもな」
ほとんど運動しない真咲のことだ。
一日中動いてたらそりゃ疲れるわ。
でもこれが俺の狙いでもあった。
だって……
「俺に連れ回されてたら、ネガティブに考えることないだろ?」
初めて知った、真咲の気持ち。
『生きている意味が分からない』
あの時は俺のために生きろなんてかっこいいこと言ったけど、内心動揺した。
真咲が自ら命を絶とうとした後だったから特に。


