笑顔でさよなら、涙にありがとう。



そう言って、秋は私の髪の毛をくしゃくしゃっとした。



「ちょっと、やめてよ!髪の毛ぐちゃぐちゃになっちゃうじゃん!」



「ぐちゃぐちゃにしてんだよ」



「なっ!ひどい!」



「でも、これで気持ちが明るくなっただろ?」



……そういえば。


もやもやとした気持ちも、ネガティブな考えも、いつの間にかどこかに消えていった。



「でも、ちょっと嬉しい」



「え?」



「真咲がヤキモチやいてくれたから」