笑顔でさよなら、涙にありがとう。




「無理です。俺、彼女いるんで」



「でも今近くにいないじゃん!いいでしょ?」



いないって言われたからいなくなった方がいい気がする。


秋だって、その子たちと一緒にいた方が……



「ここにいるよ。俺の彼女を突き飛ばしといて、よくそんなこと言えるよな」



腕をグイッと引っ張られ、反対側に身体を向けられた。


そして後ろからギュッと抱きしめられる。



「何でどっかに行こうとしてんだよ」



「だ、だって…」



「だってじゃねぇ。他の場所に行くぞ」



呆気にとられる女子たちを置いて、秋に手をつながれてこの場を後にした。