そして着いたのは、階段を上った先にある神社の裏側だった。 「ここなら、はぐれる心配はねぇだろ?」 「うん」 幸い人は誰もいなかった。 「溶けるから早くかき氷食べるぞ」 秋はちょっとした段差のところに腰を下ろして、かき氷を食べ始めた。 「真咲も座れよ。疲れただろ?」 確かになれない格好で歩いたせいで、ちょっと疲れていた。 「でも、私はいいよ。楓さんの浴衣だから、汚しちゃだめだし」 座る場所がコンクリートならよかったものの、砂だから浴衣が汚れてしまう。