笑顔でさよなら、涙にありがとう。



そして着いたのは、階段を上った先にある神社の裏側だった。



「ここなら、はぐれる心配はねぇだろ?」



「うん」



幸い人は誰もいなかった。



「溶けるから早くかき氷食べるぞ」



秋はちょっとした段差のところに腰を下ろして、かき氷を食べ始めた。



「真咲も座れよ。疲れただろ?」



確かになれない格好で歩いたせいで、ちょっと疲れていた。



「でも、私はいいよ。楓さんの浴衣だから、汚しちゃだめだし」



座る場所がコンクリートならよかったものの、砂だから浴衣が汚れてしまう。