笑顔でさよなら、涙にありがとう。



もう何でもいいや。



「じゃあイチゴ味で」



「分かった」



その時、初めて秋とつないでいた手が離れた。


秋がお金を払ってくれるから、手を離してしまうのは当たり前なんだけど。



「すみません、イチゴとブルーハワイ下さい」



「600円ちょうどね」



手が離れる時間が長くなると、はぐれてしまうという不安が襲ってきた。


そして無意識のうちに秋の服をきゅっとつかんでいた。