笑顔でさよなら、涙にありがとう。




「っ!」



恋人つなぎをされるのは初めてだった。


周りの目が気になったけど、そんな心配はいらなかった。


周りもカップルが多く、恋人つなぎなんて当たり前みたいな感じだった。



「真咲は何味にする?」



そう聞かれて我に返った。


いつの間にか、かき氷の屋台の前にいた。


見るとすごい数の味が書かれていた。



「えっと……」



戸惑いを隠せず、言葉に詰まる。



「もしかして…かき氷食べるの、初めて?」



そのせいで核心を突かれた。



「……うん」



「まぁそうだよな。祭り行くの初めてって言ってたし。嫌いじゃなければイチゴ味でいい?定番だし」