笑顔でさよなら、涙にありがとう。




「わぁ……すごい」



私の視界に映るのは、たくさんの人や屋台、賑やかな声。


こんな光景を見るのは初めてだったから、衝撃を受けた。



「何か食べたいものあるか?」



「え〜っと………何があるの?」



「かき氷とか唐揚げとかりんご飴とか……冷やしパインとかあったと思うけど…」



せっかくお祭りに来たんだし、食べたことがないようなものを食べよう。



「じゃあ、かき氷とりんご飴!」



「了解。あそこにかき氷あるから行こう。手、離すなよ」



さっきまでは普通につないでいたのに、指を絡ませてきた。


俗に言う、恋人つなぎ。