笑顔でさよなら、涙にありがとう。




「じゃあ……お、お願いします」



「よし、行くか」



「あっ、携帯!」



家の中にある荷物の中に携帯があることを思い出した。


さすがに携帯を持ってないと不便だと思う。


かなり人が多いって聞いたし、はぐれたら連絡手段がなくなる。



「携帯もいらない」



「…えっ?」



すると、ギュッと手をつなぎ、



「ずっとこうしてたら、はぐれねぇだろ」



ニヤリと口角を上げて言った。