「下駄…履けてねぇじゃん」 「秋のせいでしょ」 「……悪い」 しゃがめない私の代わりに、秋が下駄を履かせてくれた。 「家に戻るのもめんどくせぇし、このまま行くか」 「えっ…でもお金……」 秋が急に外に連れ出したせいで、荷物は全部家の中にある。 「いいよ、別に。俺が払うし」 「悪いよ!」 「こういうのは彼氏に払わせてほしいんだけど」 ……申し訳ないけど。