「簡単よ、真咲ちゃん」



飲み物を持ってきた楓さんが会話に入ってきた。



「今までじゃなくて、これから誰のために生きたいかって考えたらいいの」



ジュースの入ったコップを机の上に置きながらそう言った。



「これから…?」



「そう。少なくとも秋はそう考えて生きているわよ」



「秋が…?」



思わず秋の方を見る。



「おい、言うなよ」



秋の顔がほんのり赤かった。



「いいじゃない、別に。それじゃあ私、部屋にいるから」



そう言って、楓さんはリビングから出て行った。