理由のない恋

何気なく彼女を見ていた。
真剣に問題を解いていたのに、ニヤけたり急に難しい顔をしたり、かと思うと驚いたような顔になる。

〈よく変わる表情だなぁ〉

燐太郎はつい笑みがこぼれる。

「何百面相してるの?」

「えっ、してないよ〜!」

「してたしてた!やっぱり瀧島さん面白いね」

「え〜、そんなに変だった?」

「ちょっとね」

「う〜恥ずかしい」

雛乃はおでこに手を当て俯く。

〈やばい、かわいい〉