「あ、ご、ごめん!痛くなかった?」

「だ、大丈夫!」

〈やっべ〜〉

(いろんな意味で心臓が飛び出る!)

「こっち側歩いて」

燐太郎が道路側へまわる

「あ、ありがとう」

再び歩き出した2人は、また少しの沈黙。

駅が見えてきた。

「そういえば、瀧島の家どの辺なの?」

「家?駅の向こう側でここから歩いて20分くらいだよ。」

「へぇ〜」

〈ということは、西村さんの言ってた途中までっていうのは駅までってことか…もう9時回ってるしな…〉

「ついでだし、家の近くまで送るよ」

「えっ?いいよいいよ!」

「いや、夜だし女の子1人じゃ危ないし。こういう時は遠慮なく男子を使えばいいんだよ」

「で、でも悪いよ…」

「気にすんなって!」

燐太郎は遠慮する雛乃を安心させるように微笑む。

(那賀くん、笑顔が眩しいです…)

「じゃあ…お願いします。」

「おう!」