矢野ちんというのは化学担当の先生で、カツラ疑惑で有名だ。
2人で笑いながら教室を出る。

ふと視線を感じた。

顔をあげると、そこには那賀くんがいた。

どくん

目があった。
何だか恥ずかしくて目をそらす。

「ねぇ、雛!聞いてる?」

「えっ?あっ、ごめん聞いてなかった…」

奏ちゃんは気づいてない。

「もう!でね、またeternalのオリジナル曲作ったんだけど…」

(奏ちゃんごめん!今何も聞こえない…)

目があっちゃった目があっちゃった目があっちゃった!

頭の中でそれだけがぐるぐる回っていた。