「綾人!これ、ありがと。助かった!」

「おう…瀧島なら今出てったぞ」

「うん、すれ違ったよ…って、え?」

〈あ、綾人?な、なんで…?〉

「燐、お前、分かりやすすぎる」

おれは相当な間抜けづらだったんだろう、綾人は笑いを堪え肩を震わせて言った。


〈おいおいおいおいニヤけるな、綾人!〉

「あ、綾人…気づいて…」

「誰だってわかるよ」

〈うっ…〉

「っだぁ〜!まあいいや。そう言えば綾人、軽音楽部の部内発表会いつも行ってるよな?」

「ああ」