「さて!じゃあわたしは買い物に行ってくるわ。佳奈子ちゃんはどうする?」

「ここにいてもいいし、ガラス工房の方に戻る?」

「じゃあ、ガラス工房に行ってもいいですか?」

もう一度、陵の作業様子を見たい。


「オーケー、じゃあ行こうか」

おじさんに連れられて、わたし達は再びガラス工房に戻った。

ガラス工房の中は、モワッと生暖かい風が吹いている。

少し息をするのが窮屈なくらい。


だけど、陵の姿を見つけると、全く気にならなかった。

こちらに気づく様子もないくらい一生懸命の陵の姿に、また胸が高鳴る。


ひと段落ついたのか、「ふー」と腕で額を拭った。

その時に、ぱっと陵と目があった。

「あ、佳奈子。店はもういいの?」

「うん、見飽きるくらい長居したよ。まー、見飽きないけどね」

「ははっ、そっか。ちょっと待ってな、これだけ終わらせるから」