「あ、急にごめんなさい」
わたしが驚いたのを見て謝った。
「いえ…」
誰だろう?
知っている人かな?
そう思ってよく見ると、この前陵と来た時に店番をしていた人だと思い出した。
「あ、こんにちは!」
「こんにちは。この前、声をかけたかったんだけどお客様がいらしたから、かけづらくて」
「そうだったんですね」
すごくキュートで素敵な感じの女性だ。
「陵くんが友達連れてくることなんて初めてだったから、驚きました」
「え、そうなんですか?」
「そうよ」
初めて呼んでもらえたのがわたしなんだ…。
そう思うと、なぜか嬉しくなり顔がにやけた。
「あのー、もしかして陵くんの彼女さん?」
「え!?ち、違いますよ!」
彼女というワードにドキッとしながらも、慌てて否定した。
わたしの言葉とほど同時に、ドアのベルが鳴りお客さんが入って来た。

