陵に微笑まれると、心が温かくなる。

陵に認められたともあってか、さらに嬉しくなり、ぎゅっとグラスの入った箱を握りしめた。


「どうする?また店見に行く?」

「行きたい!あ、でも陵は作ってていいよ。わたし一人で見てくるね!」

「え、そう?」
少し困惑したように、聞いてきた。

「うん。隣だし、見終わったらまた戻ってきていい?」

「それは構わねーけど…」

「陵はガラス工芸に集中して!邪魔したくないし」

そう答えると、陵も納得したように「わかった」と頷いた。


おじさんにもお店の方に行っていくと伝え、ガラス工房を出て隣のお店に移った。

涼しい風が通り抜け、カランカランとドアベルが鳴った。


まだ、このガラス工房からのお店のギャップに慣れない。

全てのものがキラキラしていて眩しい。

現実じゃないんじゃないかと錯覚してしまいそう。


きっと何時間でも居ていられる。
そんな気がする。


「あのー、もしかしてこの前陵くんと一緒にきた子ですか?」
背後から声をかけられ体がビクッとなった。