「すごい!カップケーキじゃない。作ったの?」
「はい、この前クッキー焼いてもらったので」
「じゃあまた後でお茶しないとね」
そう言って微笑んで、梓さんは紙袋を持ってどこかへ行った。
多分、冷蔵庫かどこかに置きに行ったんだろう。
「じゃあ、とりあえず完成したやつ見る?」
「はい、見たいです!」
わたしが答えると、おじさんは白い箱を持ってきた。
おじさんから箱を受け取って箱を開けると、見覚えのあるグラスが入っていた。
グラスを手に取りいろんな角度から眺めた。
その度に、光が反射してキラキラと輝いてさらに美しく見えた。
自分で作ったなんて信じられない。
まあ、半分くらいは手伝ってもらったけど。
早くこのグラスで何か飲みたい。
「よく出来てんじゃん」
陵が横から声をかけてきた。
「ほんと?そう思う?」
わたしがそう聞くと、陵は「ああ」と優しく微笑んだ。

