空に虹を描くまで



「後は冷えるの待つだけだよ。お疲れ様」

ぱたりと徐冷炉の扉を閉めておじさんが言った。


「やったー!」

思わず両手を上げて喜んだ。


ふと周りを見ると、梓さんと陵がこっちを見ていた。

すぐに目線を逸らして考えた。

”もしかしてずっと見られてた…?”


もう一度横目で2人を見ると、椅子に腰かけてこっちを見ていた。

ガラスコップづくりに夢中で、2人が見ていることに全く気付かなかった。


そう思うと急に恥ずかしくなり、火照っている体がさらに燃えるように熱くなっていくのを感じた。


ガタッと椅子を引く音が聞こえて顔を上げると、陵がこっちによって来た。


「いい感じに出来たんじゃない?」

「そ、そう?」

「完成が楽しみね」
梓さんが座ったまま言った。


「次は陵の番だな」

おじさんがそう言うと陵がわたしを見て「見たい?」と言ってきた。


「もちろん!」

どんな風に作るのか想像できない。

きっとわたしみたいな初歩の人でも作れる作り方じゃないんだろうとは思うけど。