空に虹を描くまで



「せっかくだし、ちょっと体験してみなよ」

エプロンを上から羽織るとおじさんが提案してくれた。


「え!いいんですか?」

「もちろん」

快く返事をしてくれた。


まさかわたしが体験させてもらえるなんて思ってなかった。

一気に緊張と楽しみが全身を駆け巡った。


「ガラスコップだと比較的簡単に作れるよ」

「そうなんですか?うれしい!」


お店に並んでいた商品が頭に思い浮かんだ。

売っていた商品はクオリティも高くて、綺麗で、職人技が必要なんだろうけど、案外上手くできるかもしれない。

それか、下手すぎて形さえもコップとは言えない出来上がりになるかも。


いろんな考えが頭に浮かんで、いろんな完成図が想像できた。

陵に少しだったけどお店に連れて行ってもらってよかった。