空に虹を描くまで



店内はまるで別世界だった。

様々な商品が置いてあった。

お皿やコップ、花瓶、オブジェ、アクセサリー、見たこともない色や形をした商品も置いてあってわたしは目を奪われた。

「これ、全部手作りなんでしょ?すごいね」

世の中にはわたしが知らないだけで不思議なことがいっぱいある。

ひとつのグラスを手に取って見た。

下の方は微かに青い色がついていて、とてもお洒落だ。

これが食卓に出てきたら雰囲気変わるだろうな。

くるりと回し隅々まで見たけど、どうやってこんなものを作っているのか想像できない。


ふと一つの商品に目が行った。

丸い玉がついたキーホルダー。

「綺麗…」
思わず口からこぼれた。

「へー、そういうのが好きなんだ」
陵が横から覗き込み言った。

「あ、うん」

傍にいるのを忘れるくらい見込んでいたせいで、声をかけられ隣を見ると陵の顔が真横にあり思わずキーホルダーを落としそうになった。