空に虹を描くまで



「せっかくだし、店の方見てみる?実際に作った商品見てみるのも面白いと思うし」
陵が提案してくれた。

「いいの?行きたい!」

「だろうと思った」
わたしのことなんてお見通し、とでも言うように陵は優しく笑った。

勝手にいなくなって心配しないかな?と思いながら、陵について建物を出た。


「ここ」

「あ、隣なんだ」

隣と言っても少し距離はあった。

真ん中に駐車場がありそれを挟むようにしてお店があった。

こんなに近くだったら、2人ともどこに行ったか心配しないだろう。

そのお店はまた違った雰囲気で白い壁で花が入り口にはたくさん花が植えられていて玄関には[Welcome]の看板がありとてもお洒落だ。

お店に入ると、チリンとドアにかけられていたスズがなり店内に響き渡った。

「いらっしゃいませ。あら、陵くん」

「久しぶり」

他にもお客さんがいたから、わたしはペコリと頭を下げた。