空に虹を描くまで



陵はその言葉を聞くと、窓のところに肘をついて外を眺めた。


「あの、迎えに来ていただいてありがとうございます。でも…店長さんですよね?お店抜けて大丈夫なんですか?」

話題を変えようと、話を切り出した。

今日はもともとおじさんのお休みの日、とかだったらいいけど、そうじゃないのに来てくれたとなるといろんな人に迷惑をかけていることになる。

大丈夫なんですか?なんて聞いたら大丈夫って言ってくれるだろうけど、(そもそもそうじゃなければ来てないし)心配になって聞いたみた。


「うちは基本2人でやってるんだ。作ったりするのはね。で、陵が土日は手伝いに来てくれるからな。店の方は何人か雇ってるよ」

「へー、そうなんですか」

その言葉を聞いて安心した。
作る場所と商品を売っている場所は、また別なんだ。

「お、あそこだよ」

信号待ちで車がとまり、おじさんは指を指して教えてくれた。


指の指す方向を見ると、趣のある少し古い感じの立派な建物があった。


素敵。

建物を見ると、急にワクワクしてきた。


あの中で、いろんなものを作っているんだと考えるだけで楽しくなった。