空に虹を描くまで



わたしも演奏できる事なら、ステージに立ちたかったけど、誰かに聴かせられるほどまでは上達していなかった。

夏休み明けに一度、部活内でミニコンサート的な事を開催していたが、予定が合わず見に行くことすら出来なかった。


先生も文化祭の用事が忙しかったのか、それからは特にそういうイベントごとがなく今に至る。


お父さんは仕事で来れない、と言っていたけど、お母さんは見にくるみたい。

お父さんにバレないようにコソッとお母さんには文化祭で演奏することを伝えた。

いずれにせよ、音楽を続けたいなら、お父さんとの問題はなんとかしないといけない。


だけど、今は練習に集中したいと思って言っていない。

先延ばしにすることは良くないかもしれないけど、ステージで演奏したら、今後どうしたいのか、はっきりお父さんに伝えられる気がした。


階段を降りて一階にある部室に向かっている途中、祐介と海くんに合った。