1階に降りて校門へ向かうと、3人の姿が目に入った。
「ごめん、お待たせ!」
「おせーよ。どこ行ってたんだよ」
「ごめんごめん」
海くんに怒られながら、太陽の照りつける長い道を歩き出した。
もうすでに校舎の周りを走る陸上部の人たちがいる。
グラウンドから聞こえる賑わった声。
校舎から聞こえる楽器の音。
立っているだけで大きな活気を感じた。
校舎には全国出場の垂れ幕が大きく飾ってある。
陵や由美たちはもちろん、知らない相手でも、頑張っている姿は自分を奮い立たせる大きな力になる。
「よしっ!」
拳を握りしめて気合を入れた。
「ん?なんか言った?」
「なーんにも」
海くんの問いをはぐらかして、一人前に出て先を歩いた。

