空に虹を描くまで



テスト明けの練習を見に行ったことがあり、テストの回答が入ったファイルを部室に忘れたことがあったんだ。

次の日、由美が渡してくれたけど、誰なのか確認するために中を覗いたらしい。


その時はなぜか出来が良く98点だった。

その答案用紙を見られてから、現国は得意だって印象づいてしまったらしい。


だけどテストの答えがいくらあっているかと言って、作詞の才能があるとは限らない。


気軽に頷いて、できなかったらみんなに迷惑がかかってしまう。

そんな考えも頭をよぎったが、やってみたい、と言う気持ちが勝ってしまった。



「上手く書けるかわからないけど、いい?」

「えー!?やってくれるの!?」

「やってみるだけなら…」

「偉い!偉いぞ!」
海くんはわたしの頭の上に手を置き、雑に髪を撫でた。


「俺もさ、演奏するのは好きなんだけど、作るのはどうも苦手で…」

苦笑いしながら祐介が言った。