「佳奈子作詞する?」 祐介が聞いてきた。 「え?わたし?」 なぜわたし? 突然の問いに固まる。 「だって佳奈子、現国の成績いいだろ?」 その言葉にどきっとした。 たしかに祐介の言う通り、現国の成績はいい方だ。 だけどしらを切って祐介に言った。 「え!?よくないよ。ふつうだって」 「またまたそうやって謙遜して。この中ではダントツでしょ?」 由美がニヤニヤしながらこっちを見てくる。 そうだ。思い出した。 どうして違うクラスの祐介がわたしの現国の成績を知っているのか。