「俺らのクラスは別に盛り上がってなかったわけじゃなかったんだけど、傍から見てていいクラスだなって思った」
「ほんとに?ありがとう」
”いいクラス”って印象づけていてくれたんだと思うと、自分のことを褒められているみたいで思わず顔がにやけた。
「まー、優勝はできなかったけどね」
そう、その年は優勝はできなかった。
だけど、応援団はすごく盛り上がったし優勝したクラスと最後まで接戦だった。
体育委員は大変だったけど、やりがいがあってすごく楽しかった。
だから半ば強制的だったけど、いい経験ができたなって凄く実感した。
「ところで、あれってなんのノート?」
その一言で話題はまたノートの話になった。
「あれはただ趣味で書いているだけ。わたし小さいときからずっとピアノやってるんだけど曲をアレンジするのが好きで、忘れないように書き記してたの」
「あー、あれ楽譜だったんだ」
ぼそっと独り言のように呟いた。

