玄関はわたしん家の何倍も広く白いタイルで、とても明るい。
わたし達が靴を脱いでいる間に、もうすでに海くんは祐介よりも先に部屋の中に入って行ってしまった。
行く部屋が決まっているのだろうか。
迷いもなく、海くんは進んで行き、しまいには姿が見えなくなってしまった。
「祐介ってお金持ちだったんだね…」
口からポロリと言葉が溢れた。
「…別に普通だろ」
「はー?なに言ってるの!?これで普通だったらわたしの家どうなるの」
「じゃあ…まーちょっと金持ちかもな」
謙遜しながら言った。
「ふはっ、祐介が認めた」
祐介の言葉に由美は楽しそうに笑った。

