そう思ったのもつかの間。
祐介の家に着くと驚いて、空いた口が塞がらなかった。
「な、なにここ…」
想像していたよりもはるかに大きく存在感のある家に度肝を抜かされた。
「え、これ祐介の家なの?」
「ね?すごいでしょ。わたしも初めてきた時驚いたもん」
テレビでこんな家を見ることはある。
道でも立派な家だな、って思いながら通り過ぎることさえある。
だけど祐介がまさかこんな家に住んでいるなんて想像していなかった。
確かに落ち着いている雰囲気はあるけど、わたし達と変わらない一般庶民だと思っていた。
一階にはガレージがあり、10段くらいの階段がある。
敷地からはみ出すほど、緑豊かな植物が植えられている。
それも見ているだけで心が浄化されて行く感じ。
海くんがインターフォンを押すと、聞き覚えのある声が聞こえてきた。

